ミスミソウ 第10話 あらすじネタバレ
【第10話】
久賀秀利(くがひでとし)は古井戸の中でうずくまっていた。
秀利を追っていた春花は、諦めて立ち去った。
刺された腹部と切られた頬がズキズキと痛む。
雪は古井戸の中にも容赦なく降り付ける。
このまま誰にも見つけてもらえなかったら……!
痛む頬に苦しみながら助けを呼ぶ。
しかし、深い雪がそれを非情にかき消した。
その頃、春花の住まいを相場晄(あいばひかる)が訪ねる。
春花は帰宅して早々に床に伏しており、代わりに祖父が応対した。
春花の祖父は、春を待って、春花たちと東京に戻ることを告げた。
「相場くん、卒業まで春花を頼む」
晄は静かに頷いた。
夜になり、佐山流美(さやまるみ)に一本の電話が入る。
真宮裕明(まみやひろあき)からだった。
裕明も放火事件に関わった一人だ。
裕明は、秀利が失踪した旨を伝え、それが春花の仕業だと推理した。
裕明は自分も標的になることも想定していた。
そして同じく放火に関わった池川努(いけがわつとむ)とともに、春花を迎え撃つ準備を進めていたのだ。
春花は復讐の鬼だ。
鬼退治してやる。
日が落ち、暗闇となった古井戸の中で、秀利は小黒妙子(おぐろたえこ)を想った。
春花が来なければ妙子との関係は悪くならなかった。
春花が来なければ……!
絶望の中で、秀利は命を落とした。