ミスミソウ 第9話 あらすじネタバレ
【第9話】
小黒妙子(おぐろたえこ)には美容師の夢があった。
東京の専門学校に行きたかったが、家族はそれを許さなかった。
佐山流美(さやまるみ)は不安の中にいた。
野咲春花(のざきはるか)を追い詰めたあの日、校内放送の呼び出しから戻ると、そこには誰もいなかった。
一緒にいたはずの橘吉絵(たちばなよしえ)、三島ゆり(みしまゆり)、加藤理佐子(かとうりさこ)にも連絡がつかない。
いったい何が起こったのか。
翌日学校で、放火に関わったいじめグループの面々とその話をした。
まさか野咲が……?
春花への疑念が浮かぶ。
そのとき、学校に警察が来ていることに気づいた。
行方不明の吉絵たちの件で捜査に来ていたのだが、放火の後ろ暗さから、いじめグループの面々に緊張が走った。
久賀秀利(くがひでとし)は妙子に思いを寄せていた。
しかし妙子の態度は素っ気なく、秀利は相手にされなかった。
秀利は放火にも関わっていた。
関わっていたどころではない。
春花の母親に火を放った張本人である。
一人で下校する秀利。
秀利は、降りしきる雪の向こうに人影を見た。
春花だった。
秀利は恐怖した。
何を言っても、春花は答えない。
苛立ち、春花を突き飛ばした。
「俺に何の用があるん……っ!?」
腹部に激痛が走った。
血が滲んでいる。
間髪入れずに頬を深く切り裂かれた。
春花の手に包丁が握られている。
その目は深く澱んでいた。
逃げる秀利。
春花は静かに追いすがる。
あまりの恐怖で秀利は助けを求めながら走った。
しかし、頬を切られ、上手く声が出せない。
やがて秀利は雪に隠れた古井戸に落下してしまう。
見上げると、そこに自分を見下ろす春花の影が見えた。
春花はすでに殺害した理佐子から、母に直接手を下したのが秀利だと聞き出していたのだ。