ミスミソウ 第8話 あらすじネタバレ
【第8話】
春花の手には釘が握られていた。
釘が橘吉絵(たちばなよしえ)の左目に突き刺さった。
吉絵には何が起こったか解らなかった。
それは吉絵と一緒に来ていた三島ゆり(みしまゆり)と加藤理佐子(かとうりさこ)も同じだった。
春花の反撃は、全くの想定外だったのだ。
狼狽する吉絵、ゆり、理佐子に対し、春花の報復は止まらない。
吉絵は隠し持っていたナイフで反撃を試みるも、勢いづいた春花の前では無力だった。
春花は鉄パイプで吉枝の頭部を強打する。
何度も、何度も強打した。
吉絵が動かなくなると、春花は吉絵のナイフを拾い上げ、ゆりと理佐子に向き直った。
理佐子の必死の命乞いも虚しく、指を深く切りつけられた。
逃げようとしたゆりも足を切られ、倒れこんだところに頭を強打し、そのまま絶命した。
母親を呼びながら泣き叫ぶしかなかった理佐子だったが、容赦なく鉄パイプで連打された。
吉絵はかすかに残った意識の中で、母を呼ぶ理佐子の声を聞いた。
脳裏に両親が浮かぶ。
父親は吉絵に辛く当たり、母親は父親を恐れて吉絵を守らなかった。
吉絵は両親を憎んでいたはずだった。
それでも吉絵は両親に会いたがっていた。
吉絵は、親に自分を見て欲しいだけだったのだ。
「お母さん…私を見て……」
それが吉絵の最後の思いだった。